子どもふたりを生後3ヶ月から保育園に預け、慣らし保育を終えた生後4ヶ月にはフルタイム共働きで復職する、という選択をしたときの記録。当時考えたことや、保育園見学でチェックしたこと、入園＆復職準備についてもまとめてみる。
最初から「早く復職するぞ！」と決めていたわけではなかったので、それなりに悩んだ。と言うよりも、そもそも何をどう考えたら決められるのか分からず、少し困った。枠が空いていなかったり、家庭の都合だったり、いろいろな事情があって入園時期の選択肢がないこともあるけれど、育休を延長するかどうか悩んでいる人には何か考えるヒントになるかもしれない。
カバー画像は復職初日のかばんから出てきた上の子の宝物です🍂
ざっくりまとめ
集団保育と自宅保育の違い
（私が考える）集団保育と自宅保育の大きな違いはこんな感じ。もちろん預ける環境によって全然違ってくるけれど、検討するときの切り口としては、だいたいこんなことを考えていた。さらに細かい検討事項は「大人の事情」「子どもの事情」「保育施設の事情」の三つに分けて整理していた。
- 集団保育
- ◎ 近い月齢の子を参考にできる
- ◎ 季節・発育に合わせた活動・おもちゃを提供してもらえる
- ◎ 大人が自分の時間を確保できる
- △ 忙しい
- △ 保育料が発生する
- △ 個々に合わせた細かい対応は難しい
- ？ 体調不良になりやすい
- 自宅保育
- ◎ 思い出がたくさん残せる
- ◎ 保育料がかからない
- ◎ 知育などやりたいことをやりたいようにやれる
- △ 発育などの相談相手を自分で探さなければならない
- △ 季節や月齢に自分で対応する必要がある
- △ 自由時間がない
- ？ 体調不良になりにくい
入園＆復職準備
復職を決意したあとに準備したことも記録しておく。他にもあった気がするので、思い出せたらまた追記する。
- ネントレ
- 保育園グッズ準備
- カレンダー整理
- 病児対応マニュアル整備
- 家事外注
- 育児外注
検討：大人の事情
身体の回復
これが一番！！ 何よりも大切！！
産後の身体がある程度回復して、深夜授乳もそこそこ落ち着いて、健康に働けそうあれば復職も検討できるけれど、そうでなければもう少し休んだほうが絶対にいい。一度復職すると長期で休むのは難しくなってしまうし、子どもからは面白くなっちゃうほど風邪がうつるし。無理をしすぎると回復も遅れてしまって悪循環なので、まずは身体と相談してほしい。
お金の計算
次にお金について。これに関しては産前でも計算できるはずなので、時間があるときに予め考えておくと後が楽。
収入に関しては、産前産後休業、出生時育児休業、育児休業など利用する制度によって支払い元（雇用企業なのか雇用保険なのか）や形態（課税される給与扱いなのか非課税の給付金なのか）、それから金額が変わってくるし、企業によってサポートの内容や期間もバラバラだ。ボーナスはどうなるのか、福利厚生はそのまま利用していいのか、など所属企業の情報を集めて、復職した場合の収入と比較するのが重要になる。
支出については、もうとにかく保育園に預けた場合の保育料。これに尽きる。特に低年齢のうちは高い。これは自治体のホームページで調べられたり、分からなかったら自治体の担当者に問い合わせれば教えてくれる。認可外の場合は施設によって保育料が変わってくるので、見学前にちょっと調べておくと話が早い。保育園によってはイベントなどがある度に追加で集金があるところなどもあるらしいので要チェックだ。あとはベビーシッターや体調不良時の病児保育など、追加でお金がかかりそうなことも調べておくとよりリアルな数字が見えてくると思う。
精神の余裕
あかちゃんと毎日一緒に過ごすことは、とても興味深くて飽きることのない行為であると同時に、多少なりとも精神に負荷がかかるものでもある。ひとりでは食事も睡眠もままならない小さな生命を守り続けるには、保護者の心に余裕があることが何よりも重要で、そのためなら実家サポートでも一時保育でもベビーシッターサービスでもそれこそ保育園でも、使えるものは何でも使った方がいい、と個人的には思う。
新しい生活は産前に想像していたものとはきっと少し違う。だから、産後改めて自分の状況を見直す機会を確保する必要がある。あかちゃんから少し離れて自分のために過ごす時間を確保できているか、仕事から離れていることに不安を覚えていないか、今抱えている精神的負荷は子どもを保育園に預けて復職した場合に軽くなるのか、などをチェックして、産後ケア制度や里帰りなども含めて復職までのスケジュールを考えられるとちょっと頭がクリアになる。でもこの見直しをするにはまず一息つけるだけの時間と精神の余裕が必要になるから、まずはそこから……という場合が多いんじゃないかな。
私の場合は、復職後の方が時間的余裕は無くても心は楽だった。これは本当に子育てや仕事との相性次第なので、どちらかに固執しすぎないで楽な方を選ぶと後で納得感が増すように思う。子育ても労働も長期に渡って取り組むものだから、楽をするのも大切だ。
子育てへのこだわり
保育園での集団保育では、どうしても自宅保育ほど手の行き届かないところが出てくる。例えば生活スケジュールを細かく調整することにも限界があるし、服は汚れるし多少は怪我もするし風邪だって引く。常に全身清潔にして過ごしていたところから、多少の不潔は許容されるというか最終的には自分で清潔にできることを目指す生活に変わる。知育も個々の発達にぴったり合わせたりあまりポピュラーでない教材を使ったりすることは難しくなるだろうし、外国語に触れさせたいとかの教育方針に合った園が近所にあるとも限らない。これらを許容できない場合はそもそも保育園に通わせることは難しくて、三歳頃までの長期自宅保育を覚悟するしかない。他にも低月齢で寝返りも打てない場合はどのような対応をしてもらえるのかなど、自分の中にある子育てへのこだわりと保育園での生活との乖離はある程度把握しておいたほうが後悔が少ないと思う。
ただ、保育園でしか得られない経験もたくさんあるので、そこはトレードオフを考える必要がある。低月齢の家なんて子ども同士のコミュニケーションはほぼ発生しないと思うかもしれない（少なくとも私は思っていた）けれど、実際のところは近い月齢の子を見ながら育つので発達が順調だったり、他の子と一緒であれば家で食べないものにもチャレンジしていたり、園で教わったたくさんのことを家で突然披露してきて驚かされるなど、ポジティブな話も多く耳にする。一番のメリットは近い月齢・年齢の子の様子や他の保護者から聞く話などがとても参考になるこことかな。他にも季節のイベントや発達に合わせた遊びなど、自分でこだわらずともある程度は園からの情報でやっていけるし、なにか気になる点があれば相談できるのも心強い。離乳食だって渡されたチェックリスト通りに与えていけば大抵のものはクリアできる。自分たちだけで頑張るのではなく、保育園にも助けてもらいながら育てられる、というのはとても心強いし魅力的だ。
私はどちらかと言うと潔癖寄りの人間だから、見学時に園生活の様子を見て少し厳しい気持ちになることもあった。でも清潔すぎると逆によくないという話もあったりするし、自分の基準を見直すきっかけとして受け止めている。何より、園生活はそれを補って余りあるくらい素晴らしい点がたくさんあって、今は全く後悔していない。子どもたちには逞しく育ってもらいたい。
緊急時の対応
子どもの体調不良で急にお迎えに行かなければならない、その後数日間は自宅保育、といった状況に陥ったときの対応を考えておく必要がある。小さいうちは具合が悪いからといって大人しく過ごせるわけでもないし、寧ろ発熱時はハイテンションになってしまうことすらあるので、ある程度の分別がつくまでは誰かが見ていてあげるしかない。実家が近くていつでも助けてもらえるとかならいいけれど、そうでなければ職場の休暇制度や病児保育など、どうすれば乗り切れるのかをシミュレーションしておきたい。
二人目以降のタイミング
こればかりは思い通りにいかないことも多いけれど、また近いうちに産休育休に入る可能性がある場合は、それについても一応考えておいたほうが良い。連続での産休育休を狙って復職しない選択をした知人もいたし、逆に次の産休育休中も保育園を使いたいからとあえて早めに入園させた人も知っている。産休育休中の在籍資格については自治体によってルールが異なるので、要確認。
検討：子どもの事情
健康状態
まずは親とおなじで、保育園生活に耐えられそうな健康状態であることが一番！！
保育園に通い始めるとどんな子でも風邪を引く。休むほどではなくても鼻水や咳が出る。これはもう避けられない。しかし、集団生活に入るのを遅らせればいいのかというとどうもそうとは限らないらしい。ちゃんと調べたわけではなく周りの話を参考にしただけだけれど、これはタイミングの問題でしか無いようで、数年の自宅保育の後に幼稚園に通う場合でも、最初はたくさん風邪を引くことが多いらしい。だから、子どもの体調がある程度安定していて、多少の風邪に耐えられそうならば、いつ集団保育を始めても良いと個人的には結論づけている。低月齢児の場合は、母乳かミルクかにもよるけれど生後6ヶ月前後が一番抗体が少ないとされるので、このタイミングとの兼ね合いを考えるのもアリかもしれない。
ごはん
食の制限やこだわりが強い子どもの場合、それに保育園が対応してくれるかどうかが非常に重要になる。アレルギーのみならず、例えばミルクは完全拒否で母乳しか飲まないなど、それぞれの事情に合った園が無いと、通園は難しいかもしれない。もちろん通い始めたら子どもが変わるケースもあるので、見学時に相談してみるのが一番良いと思う。
特に小さい子の場合、母乳でいくかミルクにするかは悩ましい。母乳を通して適切な抗体が送られるという話もあるけれど、これもおそらく個人差が大きくて、ミルク育ちで風邪知らずな子もいれば母乳育ちで虚弱な子もいる。母乳で頑張る場合、冷凍母乳を受け入れている園があったとしても、仕事をしながら毎日搾乳するのは負担が大きい。母乳メインで育てたいから離乳食が進んでから預ける、というのも選択肢の一つになる。
発育・性格
保育園で一日過ごせるか？ 生活の変化に耐えられるか？ 子どもに合った園なのか？
尽きない不安は実際に見てみることでしか払拭されないと思ったので、私たちの場合はとりあえず何ヶ所か見学に行き、近い月齢の子がいれば様子を見せてもらって、園生活のイメージを掴んでいった。自宅で過ごす子どもの様子しか見たことがないと、どうしても園生活を想像することは難しいけれど、多くの子が経験していることだし、ほとんどの場合はなんとかなるのだと思う。
園によって雰囲気が全然違うのも面白かった。教育に力を入れているところでは子どもたちが行儀よく活動に取り組んでいる様子が見られたり、コミュニケーションを重視する園では子どもたちがたくさん話しかけてきたり、広い園庭があるところはイベントが楽しそうだったり。食育や動物飼育などにも、それぞれ園の特色が出る。自分の教育方針や子どもとの相性が良いところが見つかると、より安心して預けられるかもしれない。
検討：保育施設の事情
保育時間
月齢・年齢によって保育時間が変わってくるので、就労・通勤の時間を調整できるかどうかは要確認。延長保育を利用する場合は食事の有無なども含めて詳細を確認しておいた方が良さそうだった。
病児対応
保育所における感染症対策ガイドラインに基づいていることが多いけれど、お迎え連絡・自宅保育のルールは園によって異なる。私は園見学で一緒になった人が兄弟が発熱したときに下の子は登園できるのかなどを確認していて、そこで初めて園ごとの基準があるのを知った。病児・病後児保育をやっているかどうかも含めて確認しておくと安心。
生活
子どもの食事や睡眠など、園での生活をどの程度調整してもらえるのかも重要になってくる。細かいところでは、ベビーカー置き場や駐輪場の有無や広さ、平日に参加するイベントの詳細など。実際に復職後の生活をイメージして、必要な情報は予め聞いておくのが吉。
上でも書いたけれど、見学に行くと園ごとの様子が大きく異なるので、預けたい場所が決まっていたとしても複数見学することをオススメする。少なくとも私たちは当初の予定とは違う園のほうが合いそうだということになって、悩んだが末にそちらを選択することになった。逆に育休を延長しようと思っていたとしても、少しでも悩んでいるのであれば見るだけ見てみて今後の参考にするというのも良いと思う。何なら出産前でも見学できるようなので、時間と体力があるうちに行くのが一番賢いかもしれない。私は妊娠後期は眠すぎて何も出来なかったけれど。
入園＆復職準備
ここからは入園＆復職後も助けられていることを記録する。実のところ入園が決まってから準備したわけではないこともたくさんあるし、最早入園＆復職準備というよりも共働きライフハックに近いかも。
ネントレ
なにはともあれネントレだ。これに関しては生後すぐから取り組んでいて、入園＆復職に留まらず私たちの生活の基盤となっている。詳細は別の記事にまとめる予定。
働きながら育児をしている人の共通のトピックに「寝かしつけ」があって、子どもが寝ない、寝かしつけをしていると親も寝てしまう、など悩みは多岐にわたる。私たちは第一子出産後に退院してすぐ「こんなランダムな生活リズムが続くのは無理」「親がもっと眠らないと生活が回らない」と音を上げてネントレの本をいくつか読み、最終的にジーナ式を信じてみることにした。お昼寝は保育園にお任せだからスケジュールを完璧に守れるわけではないし、個人差も大きいから、確実に上手くいくとは言えない。それでも、我が家では今のところふたりともセルフねんねを維持できていて、寝かしつけに苦しめられたことはほぼなく、夜泣きも無いのはおそらくネントレのおかげ。本当に助かっている。そこまでストイックにはやらないとしても、睡眠環境を整えたり、夜泣き対応をあらかじめ決めておいたりすると悩みを減らせるかもしれない。
保育園グッズ準備
入園が決まると園から準備リストを渡されるので、それに沿って必要なものを揃えることになる。ここでも入園後の生活を出来るだけリアルに想像して、毎日の準備と片付けがスムーズに出来るように整えておくと後が少し楽になる。例えば、着替えやタオルは多めに買っておくと毎日の洗濯のストレスが減る、など簡単だけれど復職して忙しくなると後回しになりそうなことをやっつけておけると良い。我が家の場合は夫が先に復職していて、入園準備や慣らし保育はほぼ私の担当だったので、その後の登降園の分担に向けて、夫との持ち物リスト共有も少し丁寧めにやった。
カレンダー整理
復職を見据えて夫婦でカレンダーを整理した。送り迎えの担当を決める、会社のカレンダーに登降園ブロックを入れる、保育園のイベントを入力しておく、予定変更のやり方を相談する、など。家庭によってやり方は違うと思うけれど、とにかく後で考えることを減らせると良い。
病児対応マニュアル整備
子どもの体調が悪くなると園から電話がかかってきて、出来るだけ早くお迎えに行くことになる。このときのお迎え担当は？ 受診は？ 翌日の自宅保育は？ など考えることがたくさんあって、慣れるまでは戸惑うだろうと思ったので、我が家では「子ども緊急対応マニュアル」を整備した。具体的には以下の見出しがあって、それぞれに確認事項や連絡先などが書かれている。
- 電話対応
- 小児科外来予約
- 病児・病後児保育予約
- お迎え
- 小児科受診・薬局
- 自宅保育
ありがたいことに、今のところこのマニュアルが役立つ場面はあまり多くない。それでも、緊急時に考えることや夫婦間で調整することを少し減らせているから、事前にマニュアルを用意しておいたのは良かった。基本的に私たちは家庭内の不要な軋轢を極力減らそうとしていて、仕事と育児とでギリギリな生活をしているところに緊急のタスクが入るとどうしても日常のバランスが崩れて衝突しやすいので、様々なタスクの内容や分担を明記しておくことは重要だと思う。
家事外注
限られた時間を有効活用するために、自分で積極的にやりたい家事以外は外に頼ってしまうのも手だ。福利厚生などでカバーされるものもあるかもしれないので、一応確認してみると良いかもしれない。
私たちは料理と掃除を外注してみている。料理については、毎週冷蔵のおかずが届くように手配してある。平日で食べ切れる分だけ頼んでいるので、土日は好きなものを作ったり食べに行ったり出来る。食べ飽きたなと思ったらスキップもできるけれど、上の子が大人と同じごはんを食べられるようになったのもあって、基本的には毎週頼んでいる。お掃除は月に一度来てもらっていて、普段の掃除に追加して、エアコンのフィルターや空気清浄機など、毎週はやらなくてもいいけどたまにキレイにしたいなというもののお手入れをお願いしている。不要だったら解約すればいいかとお試しのつもりで始めてみたけれど、今のところとっても助かっているので継続している。
育児外注
週に一回でも、子育てを手伝ってくれる人がいると、大人の暮らしの維持が本当に楽になる。特に実家をあまり頼らないで頑張る場合には、これが文字通り生命線になることも少なくない。ベビーシッター、ファミリーサポートセンター、延長保育、可能であれば実家など。様々なパターンを、病児対応可能なところなども合わせて見ておくと心強い。仕事と育児をしながら新しいシッターさんを探したりファミサポの登録をしたりするのも大変なので、使う可能性があるものは事前に登録・相談を済ませておくのがオススメだ。安心と安全のためにリビングにもカメラを設置する、なんてことも事前に検討したておきたい。
私たちも、復職前に定期で来てもらえるシッターさんを探して、長期で依頼していた。残念なことに最近はご家庭の事情で来られなくなってしまって、正直かなり困っている。
ごはんの準備中に遊んでいてもらったりする中で、子どもへの良い声掛けの仕方や成長にあった遊びなどを教えてもらうことも出来て、私も夫も学べることがたくさんあった。保育園に預けたうえでさらに外注するなんて……と気が引けてしまうかもしれないけれど、親子ともに頼れる相手を増やすのは全く悪いことではないので、保育の仕方など自分の基準を満たす人と組むのは試す価値が十分にある。
以上が私の復職前に考えたことだ。
いろいろ書いたけれど、私は復職の選択を全く後悔していないし、逆に長めの育休を楽しんでいる人もいる。それぞれの事情に合わせて楽しい生活を手に入れられるのが一番。
この記録が、誰かが納得のいく選択をするための、なにかの手助けになりますように！🔥