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2025年6月。休日、一歳&二歳児連れ、雨、そして前日までのパビリオン予約ゼロ、という四重苦みたいな状況で大阪万博へ行ってきた。が、結論から言うと、とっっっても楽しかった。

行くと決めたのは出発の約一週間前。友人の「建物を外から眺めて、異国のごはんを食べて、リングの下でのんびりするだけでも十分」という言葉は本当だった。

記録

一週間くらい前

そもそも「万博行きたいなあ〜」と言っていた夫は仕事やら何やらに追われて予定を決めかねていて、私はというと、正直なところそこまで乗り気ではなく、行き逃しそうだった今回の万博。友人の言葉に背中を押されて急にスイッチが入り、善は急げ、というか夏休みは暑いし混むからなんとしてもその前に行かねば、とすぐにホテルとチケットを予約した。間に合う抽選には全て申し込み、先着予約にも挑んだけれど、結果は惨敗。なんとか確保できた朝9時入場のチケットだけを握りしめ、「お散歩でOK、子どもたちの写真が撮れれば完璧」と自分に言い聞かせながら、しかし夜な夜な子連れ万博ハックを検索して出発日を迎えた。この時点ではミャクミャクのことは「いのちのかがやきくんね〜」としか思っていなかった。

06/13: いざ大阪

金曜の夜。いつも通りに仕事を終わらせ、私だけ少し早めに保育園へお迎えに行った。子どもたちはまだ旅行の予定を理解できる年齢ではないけれど、「今日は特別な日だよ! 準備頑張ろうね!」と嵐のようにお風呂とご飯を済ませ、荷物を抱えて東京駅に向かった。なんと子どもたちはパジャマ姿である。退勤後にスーツケースを持ってきてくれた夫と合流し、駅弁を買って新幹線に乗り込んだ。新幹線内の広告を見てから、上の子はミャクミャクのことを「にゃくにゃく」と呼ぶようになった。

この時点で、子どもたちのいつもの就寝時間くらいになっていた。「このまま寝てくれたら…」なんて淡い期待を抱くも、現実は甘くない。というか親も静かにしているならまだしも、意気揚々と駅弁を広げてしまったので眠るわけがない。初めての新幹線ということもあり、結局新大阪までずっーと元気に起きていた。上の子は新幹線の形の駅弁をいたく気に入っていた。新幹線を降りるタイミングでベビーカーと抱っこ紐にそれぞれ収まると、ふたりはようやく電池が切れたように眠りに落ちた。

コンビニで軽食を買い、ホテルに着いたのは23時過ぎ。一度寝てしまった子どもたちがすんなり寝るわけもなく、いつもと違う場所に大興奮なのをなだめすかしてシャワーと翌日の準備を済ませ、日付が変わってから強制消灯の後に全員就寝した。

06/14: 万博DAY

7時起床。眠い。ミャクミャクの動画を見つつ軽く朝ごはんを食べて、タクシーで西ゲートへ向かう。8時前には着いたが聞いていた通り既に長蛇の列だった。一時間並ぶので椅子を持ってくる人もいるようだけれど、なんだかんだ少しずつ前に進まされるので、座っていられる時間はそんなになかったと思う。パラパラと降り始めた雨のせいで、子どもたちはちょっとぐずぐず。ベビーカーを持っていったので、荷物の重さや子どもの居場所に悩まされて早々に疲れてしまうことがないのは幸いだった。

早めに会場入りした甲斐もあって9時開場の数分後に入場。ゲートをくぐると同時にスマホで当日予約を試みつつ、ミャクミャクのところに向かって記念撮影を済ませた。入ってすぐのベルギー館でジェラートとワッフル(マネケンらしい)を買い、大屋根リングの下で頬張る。木の匂いに包まれながら巨大な木造建築を見上げていると、異国感は少ないもののやはり非日常感が強く、面白いところに来たと胸が高鳴った。長期の使用を前提としないからこそ出来ること、逆に言うと普段見る建築物では絶対に出来ないようなこと、がリングからもパビリオンからもたくさん見受けられて目が飽きない。上の子は「なみなみ」と言いながら木目をなぞって嬉しそうにしていた。ここで写真を何枚も撮ってミッションコンプリート。売店でミャクミャクネックストラップも買った。確かにこの時点でもう満足できていたような気がする。

そのあとは、ベビーカーで入れるパビリオンと、おいしそうな食べ物を中心に、気の向くままにふらふらと。効率とは真逆のコースをぐるぐると歩き回った。一番心に残っているのはサウジアラビア館。子どもたちが楽しそうだったのは電力館。休憩に最適だったのはドイツビールのところ。グッズが気に入ったのはフランス館。予約がないというのを最大限に活かして(?)自由に過ごした。ちなみに子どもたちは、前日はしゃぎすぎたせいかベビーカーで3時間近くお昼寝をしていた。ベビーカーがあってよかった。「海外旅行よりも安いからね!」を合言葉に好き放題、夜まで遊び尽くして、ホテルに戻ると全員泥のように眠った。ミャクミャクのぬいぐるみが欲しかったなあと思うくらいにはミャクミャクを好きになっていた。

06/15: ばいばい大阪

最終日は夫の都合に合わせて、少し慌ただしく東京へ戻った。新大阪駅が好きなので朝食後すぐに移動し、多少は大阪を楽しもうかとわなかに入った。子どもたちは生まれて初めてのたこ焼きを、それはもう夢中で食べていた。冷めるのを待ちきれずに泣いていた。かわいいね。改札内にはミャクミャクのショップがあったので、会社用のお菓子も無事に手に入れることができた。上の子は遂に「みゃくみゃくばいばい」と言えるようになった。

やってよかったこと

前泊・8時会場入り

そんなに綿密な予定を立てないとしてもこれだけやれば大丈夫、というくらい、早く入場してよかった。というのも、パビリオンに入れるとか当日予約が取りやすいとかだけではなく、大屋根リング下の人口密度が低いから。お昼ごろになるともう結構混んでいたので、早い時間にパビリオンに並ぶのではなく記念写真を撮ってから子どもたちを好きに歩かせたのは大正解だった。特に列に長時間並ぶのが現実的ではないファミリーにはこちらのほうが良さそう。

レインコートと帽子

お天気に合わせた服装はとっても大切! 傘も持っていったけれどやっぱり両手が空くと楽なので、山用のレインコートやベビーカーカバーなどを持っていって、リング外を移動するときはだいたい着ていた。あとは帽子。普段被らない人でも、やっぱり野外なので、あったほうが疲れないと思う。

紙の地図

パビリオンの情報などが書き込まれた地図をプリントして持っていった。スマホにもデータは入れていたが、だいたい紙で見ていたので、あってよかったのだと思う。広い敷地に様々な施設がひしめき合っているので、A4かそれ以上のサイズでプリントするのがオススメ。

レンタルベビーカー

ベビーカーは一台持っていったけれど、やっぱり疲れたくないし子どもの人数分あったほうがいいよねと途中で一台レンタルした。レンタルしていなかったら夜まで耐えられなかっただろうから、もはや必須だった。お昼寝はもちろん、パビリオンにベビーカーのまま入れるところもあったし、本当に助かった。レンタルのものはあまり荷物は入らなかったので、自分のものを一台持っていったのも正解だった。ちなみにレンタルは無料です。ありがたすぎる。

キッズカメラ

キッズカメラデビューに最高のタイミングでは!? と出発前日に購入し、上の子にたくさん写真を撮ってもらった。もちろんブレていたり何も写っていなかったりなボツ写真もたくさんあったが、興味を持ったものにシャッターを切り続けている姿が見られたり、下の子のことを撮ってあげていたり、レインカバーの中からも「きらきら〜」と言いながら外を撮っていたり、ずっと楽しそうだった。

夢洲の名の通り、終わってしまったらもう二度と行けない、子どもたちの記憶にもきっと残らない、ハマる人は何度も通う夢のような場所。もう行くことはないかもしれないが、ミャクミャクのぬいぐるみだけでもどうにか手に入れられないかと、まだ夢を追いかけてしまいそうな自分がいる。そのくらい楽しかったし行ってよかった。大阪に住んでいたら通い詰めていたかもしれない。帰ってきてからは、ミャクミャク柄の缶を子どものおもちゃとすることで、少しでも長期記憶に残せないだろうかと足掻いている。夢はまだ続く。