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本を読むぞ!! と意気込んで迎えた二月。ずっと前から図書館で予約していた本が続々と届き、読まざるを得なかっただけである。自覚はなかったもののいわゆるマミーブレインなのかあまり本を読まなくなってしまっていたが、最近は少し本を読みたい気持ちが戻ってきて、長めのミステリーやSFにもじっくり向かい合えるようになった。子どもにも本をたくさん読むようになってもらいたいので、まずは親が楽しく読書する姿を見せられるようにしたい。幸い未読本はモリモリ積まれている。当分読むものに困ることはない。

ネタバレになってしまうのでタイトルは伏せるが、今月読んだ本の中に、人は皆命に優劣をつけながら暮らしているというような内容のものがあった。浮浪者よりも子どもの命を重く見て、犯罪でなくとも倫理を外れた行いには私刑を与えたがり、自身の利益を最大にするための選別を行う、破壊衝動にも似た本性を社会のルールの中で抑え込んで生きる。私もあなたも本当は公平・平等なんて信じていませんよね? というような問いかけを主題として話が進む。私だって社会の一員としてルールを守らないと生きていけないからそうしているだけで、根底から全てに対して平等であるわけでは全く無いなと自身を顧みながら読み進めたところ、クライマックスで出てきたひとつの回答が「そう生きることを不幸だとは思わない」というもので、私は目を見開いてしまった。つまり醜い本性それ自体が問題になるのではないということである。その思想自体が社会から植え付けられたものだと言ってしまえばそれまでだが、心の底に抱えたものがどうであれ、全体の幸福を願って善く在ろうとすることは不幸な営みではないというのだ。これが人間の本質であるとすればそれは救い以外の何物でもない。……というようなことをじっくりゆっくり時間をかけて考えられるのが読書のいいところなのかもしれない。まとめて書いてはみたものの、私の感じた驚きはあまり伝わらなさそうである。もうちょっと長めの書評とかを書いてみればいいのか?

台湾に行った。今月に入ってからフライトとホテルを予約するというギリギリ旅だ。私にとっては年末のリベンジ、子にとっては初の海外旅行である。きっと数年後には何も覚えていなくて、写真を見せたら驚かれるのだろう。パスポート写真の撮影で苦労したことも、飛行機内での長時間抱っこでおしりが痛くなった記憶も、親にとってのみ輝かしい思い出となるのだ。

最高気温30℃前後の日が続いた後、少し涼しい曇りの日に降り立った台北は予想よりもごちゃついていて、しかしどことなく日本に似た面影もあり、ローカルごはんにありつくまでは海外に来た実感が湧かないほどだった。日本統治時代のことにはそこまで明るくなくても、街を歩けばスシローサイゼリヤコメダに当たり、店に入れば日本語メニューを渡され、さらに日本円で支払える店もあると言えば雰囲気は伝わると思う。時期柄なのか日本人旅行客も多く、日本語で会話しているグループも少なくなかった。

ということで今回は主に現地のごはんを楽しむ旅となった。乳児を連れて遠出するのは難しいから基本的には台北駅のそばで、移動はほぼすべて徒歩、予約は一軒のみであとは飛び込み、ちょっといいレストランから屋台メシまで、おなかが許す限り食べて、また食べて、食べ続けた。帰りの飛行機ではもう何もいらないと言いながらも帰国後すぐに寿司を食べた。我ながらストイックというか強欲である。子どもが特に楽しそうにしていたのは広いベッドの上を転がっているときとお座敷スタイルのティールームを探検しているときで、ベビーカーに縛り付けられている間はずっと不服そうにしていたし、日本には無さそうなものを見せても不思議そうな顔をするだけだった。旅を楽しむのにも様々な知識や能力が必要とされるらしいことを悟った。

髪をまた短くしてしまった。ショートヘアから一年近く伸ばし続けてようやく結べる長さのボブになったところだったのに、もうあちこち跳ねまくる髪にも長時間(と言っても数分)のドライヤーにも耐えられなくなってしまった。ここを超えてもう少し髪が長くなれば諸々落ち着くことは分かっているけれどもう無理で、またショートになった。こんなんばっかりである。とはいえ長めのショートにしてもらったので、今後もあまり短くしすぎず維持していきたい。前は短くコンパクトにを追求しすぎた結果ラフな雰囲気になりすぎてしまったから。

おわり! 三月が来るの早すぎて気持ちが追いつかないよ!